地域資源を活用し、新しい6次産業化を目指す。 スキルアップを目指し、実践者から学ぶ。
目次
- 回遊しながらSNSで選ぶ時代
- SNSブランディングの強み
- 価値観のズレをなくす
- 初期設計で足場を固める
森川 恭次氏(NEXTTODAY(愛媛県西条市))
回遊しながらSNSで選ぶ時代
愛媛県西条市でSNSのブランディング、コンサルティングやサポートをさせてもらっています。一番初めに始めた自分のYouTubeは現在1.6万人の登録者です。YouTubeを始めた理由はコロナをきっかけに、収益化するというストック型の働き方に変えてみようと思ったことでした。全てiPhoneで撮影から動画制作もしていますが、無料でできることでリスクも少なく、発信もしやすい環境があったのも続けられた理由の1つです。YouTubeではアナリティクスで実際どういう人達がどう見てくれているかの分析をして、自分なりに勉強していきました。また、パターンを決めて撮影や編集をすることで、やる気がなくなる前にすぐにセットして継続できる環境を整えていきました。今は宿泊施設やマルシェ等イベントの企画、デザインやコンセプトの提案、サポート、飲食系事業等色々なサポートをさせていただいています。クライアント様の価値を様々な視点で捉えることを重点に置いて、ブランディングとSNSを合わせて活用をしています。
SNSサポートは、敷島旅館という西条市のお遍路宿が築70年の古民家から新しくリノベーションをかけるということで、情報発信に関わったのが一番初めの仕事でした。始めに現状の課題分析をしたところ、まず集客方法はお遍路本の中に『敷島旅館』という一行が書かれていただけでした。また敷島旅館を検索にかけると昔のままの写真が載っており、口コミの評価は2、さらにあまりよくない口コミが書かれていました。ちなみにこのGoogleが口コミのトップに上がる条件をご存知ですか?実はGoogleもYouTubeもInstagramも全て滞在時間を伸ばすことを重要視しています。そのためには、情報に信頼性があり鮮度が保たれていることが必要です。読者に見やすく有益で正しい情報、さらに口コミの評価が高いという基準があって初めて上に上がってきます。上位に上げていくためには、過去の蓄積やGoogleに認識をしてもらうというプロセスが必要なので、なかなか自分たちの意図で上げていくのは難しいため、手軽に一番早く世間に知ってもらえるのは今の時代はSNSの活用です。
昨今は、SNSで調べてから買ったり、どこかに行ったり、何もかもSNSで選ぶ時代です。SNSを入り口に一つのことで選ばず、検索をかけて回遊しながら何でも選ぶようになっています。例えば宿泊の場合、まずは予約サイトで調べてからそのまま決済する人もいれば、そこからSNSに飛ぶ人もいます。SNSでその付加価値を見て、その後実際はどうなのか知りたくて口コミを見ます。その後納得したらまた予約サイトに戻って決済をします。いわゆる失敗をせずにサービスや商品を買いたいというのが現代のユーザーの特徴です。この回遊中に口コミのマイナス評価などロスするポイントがあった場合、結局サービスには辿り着きません。宿泊施設だけではなく、飲食店、観光情報、ネットで販売するもの、病院なども皆さん口コミを見ています。価格の比較など、自分達に合う条件を自分たちで探しながらサービスやモノを買います。この口コミというのが、最高のコミュニケーションツールであり、いい評価は無料の宣伝にもなります。ただ悪い評価も今の自分たちがやれていることの気付きであり、改善点の気付きにも繋がります。口コミを参考にしながら経営者目線ではなくお客様目線でどんな発信にしていくかを決めていきましょう。
SNSブランディングの強み
ブランディングでは、自分達の価値を膨らませて、口コミをしたくなるようなサービス内容や特色、顧客のメリットを発信していきましょう。ただ発信しても何も響かず、他と一緒だと思うと反応が起きません。ここで他とは違うメリットや特色を作っていくということが、SNSブランディングの強みです。どんな経験も普通が一番印象に残りません。例えば飲食店に行かれた時、そこが可もなく不可もなく普通という場合、皆さんがやる行動はなんでしょうか?何もしませんよね?要するに食べたことに対して何のアクションも起こさないんです。逆にすごく美味しかった時、頼まれてもなくてもおすすめしますよね?悪い時も言いふらします。これがSNS上でも起こります。自分が期待していたものより良かったことはみんなに勧めますが、逆に悪かったことも自分たちの大事な人にもこんな経験してほしくないと思うので伝えます。
買い物をする時の条件も、高くても価値が納得できれば購入してもらえ、単純にコスパがいいなど条件が合えば人に言いたくなります。このように、人に言いたくなるような状況を作ることで価格など関係なく、価値観や条件が合いさえすれば高評価してもらえます。自分達がなぜこれをしているのか、そのコンセプトからお客様との信頼と共感を膨らませていくことがSNSブランディングの大事な部分です。なので、これからは付加価値や+αを訴求していかないと集客は難しくなると思います。可もなく不可もなくという状態は一見安心なようですごく危険な状態です。安心していても、もしかしたら忘れられるかもしれないし、もっといい条件があれば、すり替えられるかもしれません。
価値観のズレをなくす
先ほどの敷島旅館さんでは、まず知ってもらうきっかけを作るために、Instagramでアカウントの構築をしました。オーナーさんもSNS未経験の方で、全くわからない状態からのスタートでした。このSNS発信を始めたところ、初月からベッド稼働率は80%ぐらいまで埋まりました。お遍路さんが来ない、夏や冬の時期の客数を増やす事が課題でしたが、発信を使って価値や内容を知ってもらうことで、宿に来てもらえるきっかけが生まれました。お帰りのお客様に「ありがとうカード」をお渡しして口コミを記入して頂き、口コミも星2つから星4.2まで上げられました。Instagramの投稿も始めは宿の切り取りを提案しましたが、オーナーさんが写真を撮るのがあまり得意ではないということで、途中から実際の海外のお客様の姿を映すという、自分たちでできる発信方法に変えていきました。この発信が海外の人の安心感となり、インバウンドの集客にも繋がっていきました。
これらの方法が絶対に正解という訳ではなく、様々な価値が積み重なって何となくポジティブな方向で理解してもらえたように思います。また、どんな仮説があっても、それをやっていく中で続けられないことを続けても結局結果は出てきません。実際の現場でSNSの期待値を上げすぎてズレが生じた場合、普通ではなく残念だったという状態になります。SNSで過剰に自分達ができることを作りすぎると結局自分達の首を絞めてしまいます。敷島旅館さんも背伸びはしないけどやれるおもてなしをするという約束事を決めて、それをお客さんと共有できていました。だからこそ、それ以上のことをお客さんから求められることもなく、実際に来てくれた人がその価値観のずれがないので、オーナーさんの人柄やおもてなしを評価してもらえたと思います。いわゆる「バズる」という状況もありますが、バズッた時には、色んな価値観の人が集まってきてしまい、入ってくる人も多いですが出て行く人も多くなります。新店のオープン時に瞬間的に集まって、その時はうまくいっているように見えても、自分達の受け皿をちゃんと整えていない場合、その後お客さんを失うことにもなります。情報を発信しつつ自分たちの価値を認識した上で、価値観が合う人を集めていきながら、その人達に届けていくことを大事にしてください。この価値観のズレがなければ良い口コミに繋がりやすいです。
初期設計で足場を固める
SNSの運用は実はその初期設計、どこに向かっていくかが9割を占めます。初期設計をする上で、①どんな場所か、②どんなユーザーに届けたいのか、③どんなメリットがあるのか、④どんな価値提供ができるのか、⑤このアカウントはどういうアカウントなのか、この5つの軸をきちんと設計しながら作っていきます。最初の土台がグラグラの状態でどれだけ上に積み上げても、すぐに崩れてしまいます。最初の初期設計をしっかり作り、どういう風に進めていくかを整理してからやっていくことが大切です。自分たちができること、届けたいことを一回洗い出して、その中から発信を作っていきましょう。
投稿の内容は、①見込みのお客様が知りたいこと、メリットやどういうことがこの価値なのか、②実際自分たちが本当に約束できることの2つです。自分たちが価値を理解した上で発信していくことが重要です。SNSのサポート事業では「売りたいからバズらせて」などと言われることが多々あります。でも、正しい位置づけと事業とのセットを考えておらず本質がずれていたら、本当に知ってほしいものには興味がなくなります。結局一番核になるのは皆さんの事業です。SNSはそこに触れてもらうためのきっかけでしかありません。お客さんに一番気づいてほしいのは、その事業をされている方のサービスであり、商品です。ここに触れてもらった上で、いいと思ってもらえるような関係性を作るための手段がSNSだと思います。SNSを続けていると、成果が見えないと感じ、投稿自体をやめてしまう場合もあります。でも、初期設計から最終的に到着点がわかっていれば、一喜一憂することはなくなります。フォロワー数も数が多い方がよく見えますが、フォロワー1万人だけど商品は100個しか売れてない。でもフォロワー100人だけど、商品が100個売れているなら、100%の価値観の共有ができている方が価値があります。価値観のズレがなく、きちんと伝えていければ、フォロワー数もたくさんはいらないはずです。
投稿は、1つの動画や写真などを投稿すること自体に重きを置かず、一個一個が積み重なって、全体が組み合わさった時にその一つのものができる、と考えて下さい。また、自分たちの価値と届けていきたいコンセプトや立ち返れる場所を持っておくことも重要です。自分達の想いと商品が繋がった時に、勝手に新規のお客さんを今までのお客さんが呼んでくれる状況が生まれてきます。新規のお客さんを呼びたい時に一番大事なのは、今あるお客さんにもう一回来てもらおうと思って届けることです。バズることを目指すのではなく、自分達の価値を決めて自分達の価値を届けていき、SNSを「武器」に変えていきましょう。
本事業の詳細についてはこちらをご覧ください。
受講生募集
6次産業化に関心のある皆様のご参加をお待ちしております! ぜひお知り合いの方にもお声がけください。
| 締切 | 各研修開催の3日前まで |
|---|---|
| 定員 | 各回20名程度(オンライン配信あり) |
| 会場 | テクノプラザ愛媛 研修室(松山市久米窪田町337-1) |
| 主催 | 愛媛県農林水産部農政企画局農政課 |
| 対象 | 県内農林漁業者・地域資源を活用した商品開発等に関わる方 |
お問い合わせ
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