地域資源を活用し、新しい6次産業化を目指す。 スキルアップを目指し、実践者から学ぶ。
目次
- 非農家からのスタート
- 社会福祉と繋がる
- 微生物の活用
- 自家消費再生エネルギー、農業保険、種苗メーカーとの取り組み
神戸グリーンキャッチ(兵庫県神戸市) 代表 笹山 大
非農家からのスタート
まずは、私の経歴について簡単にお話いたします。私は、元々2002年から不動産会社、保険業、不動産コンサルタントを設立していました。2015年に会社を引退後、子どもたちと一緒に何かできないかということで、兵庫県の楽農生活センターの就農コースにて農業を一年間学んで非農家として独立就農しました。その在学中に、新規就農者の方々に声をかけて、協同出荷組合神戸グリーンキャッチという組合を設立しました。同時期に、児童養護施設連盟、児童養護施設協議会、子ども食堂との連携(ICHIZENプロジェクト)などを始めました。こういった取り組みを行うことによって、様々な福祉事業と連携を組められるようなネットワークを繋げていくことになりました。
学校を卒業後は、新規就農青年等就農計画認定を受け、新規認定就農者として2017年に開始しました。始める際は、神戸市の耕作放棄地事業のモデル事業者として、3,4反の耕作放棄地を解消しての新規就農でした。それと同時にJA全農の全農夢ファームという事業の中で、研究研修員として30カ月の研修を受けることができました。神戸で言えばトマト、イチゴ、パプリカなどの農作物を環境制御を統合させた管理をして、農作物の耕作面積あたりの増産を目的とするという実証実験を研究施設で行うというのが、この夢ファーム事業でした。同時期、えひめAI(現:マイエンザ)の普及員も就任しておりました。
その後、非営利の一般社団法人ファーム支援普及協会という社団法人を設立、業界で初めて農業の総合保険も作りました。再生エネルギー自家消費型事業モデルの開発、農業全般(農水畜産業)の支援サポートの事業も開始、兵庫県農業MBAという担い手育成のカリキュラムの受講生として、一年間様々な講師の方から多角的な経営を学ぶ機会も得ることができました。一昨年、有機JASの指定管理、講習を修了しております。
社会福祉と繋がる
まず、学生時代に設立をした協同出荷組合神戸グリーンキャッチ組合の活動ですが、新規就農者および学生さんたちを集めて、約40人~50人弱ぐらいの組合を作りました。対面の販売ができる直売所を設立し、委託ではなく買取りで野菜を販売するようにしていました。国や県などの行政の補助金なども利用して経営を開始しました。地域のイベントにも多数出店をして、農家さんの農作物を専属の販売員が販売していました。
神戸市児童養護施設連盟・兵庫県児童福祉連合会への支援協力やフードロス「モッタイナイ活動」、児童養護施設・子ども食堂への農産物提供と農業体験なども行いました。農業をしていると、必ず規格外などの野菜が出てくるかと思います。その後片付けなど余分な作業があるものを軽減したいと考えたことも福祉連携を考えた理由の一つです。色々な福祉事業の活動をサポートしている家庭支援課や社会福祉協議会と連携しながらネットワークを作り、農業体験で来てもらうということを考えました。福祉活動を通じて、養護施設の方たちは、家庭の事情などでお金を借りる際にハードルが高くなったりすることも知りました。農業という分野では計画認定を受け、しっかりと計画を立てることによって様々な行政サービスも受けられます。農業を通じて、新しい道に繋げられるような事も皆さんに知ってもらえたのではないかと思います。利用者の方たちに喜んでいただくことで、農家さんのやる気や後押しにも繋がっていくのではないかと思い、自分の子どもも含め多くの方に携わっていただきました。
次にICHIZENプロジェクトについてです。「ワクワク・ロックンロール」バンドのクマガイタツロウ氏というのが私の20年来の友人で、自分が幼い頃家で一人の食事がすごく寂しかった、という話がありました。そこで、自分たちにできることは何か、ということでICHIZENプロジェクトを立ち上げ、私も協力することになりました。これは、誰かが何かを食べればみらい無料飲食チケットが発行されて、そのチケットで中学生以下のお子さんたちが食事を食べられるというような活動です。当時、私は玉ねぎやトマトを栽培していたので、まずはこれらを使ったカレーやラーメンなどを提供することから始めました。今では色々な飲食店さんが、この事業に参入し、食品もしくは食事の提供をすることによってチケットを発行しています。これらの運営は協賛事業者という形で多くの企業の方にも協賛金にて運営サポートをしていただきました。
微生物の活用
愛媛では、えひめAI(現マイエンザ)の普及員として任命を受けていましたが、これは曽我部吉明先生という方が提唱した、納豆菌、ヨーグルト菌、酵母菌のそれぞれの働きを利用して、水の改善、環境改善に活かす、という微生物活性資材のことを指します。自分で農業をする中で、地域から出るもみ殻や馬糞、米ぬかなどの廃棄物と呼ばれる未利用資源がたくさんあり、それらを活用できないか、ということで微生物について日々検証していました。土壌改良、土の改善という形での活用や、堆肥として資源活用など自分でも顕微鏡を購入し様々な角度から検証もしました。
微生物の活用についてお話しいたします。微生物を堆肥に撒けば温度上昇にも繋がり、採卵養鶏では養鶏の匂いを消し、鳥インフルエンザの対策にもなります。畜産では、敷床に撒くことによって匂いの改善や抗生物質の利用軽減にも繋がります。糞尿に撒くことによって堆肥の匂い改善、分解促進、温度上昇による色々な有害微生物を腐敗型に傾かないようにし、しっかりと発酵させることができます。様々な作物を再現可能な循環農業として実践してみた結果、食品の食味や品質の面でも硝酸値などの数値的にも向上することに成功しました。
微生物を生活の中で置き換えるとすると、納豆はバチルス菌、ヨーグルトは乳酸菌、ドライイーストは酵母菌に分類されます。それぞれ役割分担があり、納豆菌は分解促進する分解屋さん、色々な微生物を寄せ付けないような繁殖力があるので見張り役でもあり、増殖力が高いので子沢山というイメージです。乳酸菌は、酸性で掃除をするため余計な腐敗菌を増やさないようにする、様々なものを熟成させる役割などを果たします。酵母菌はバチルス菌や乳酸菌のお手伝い係でもあり、酵母菌自体も発酵を促進し、他の微生物のサポートをするので、縁の下の力持ちというような役割があります。自分たちの身近な食品で例えてみると、お味噌や醤油、漬物、チーズといった発酵食品というものが全てこういった有用な微生物によって出来上がっています。微生物が発酵食品を生み出す流れとしては、まず活性化し元気になり増殖します。それが落ち着くと微生物の共存競争が始まり、自分たちの縄張り争いを始めることで、個性豊かな性質環境を作り出します。三番目に次の子孫を残すために活発に細胞の分裂をしたり、細胞の劣化が始まったりします。環境循環の中で、微生物の代謝物として残渣が残ります。この残渣が微生物の餌となって、循環型の共存ができる微生物の聖域ができます。こう言った流れで食品は、旨味成分たっぷりな食品として生まれ変わることができるのです。
自家消費再生エネルギー、農業保険、種苗メーカーとの取り組み
私の提案している自家消費再生エネルギーは、中山間の農業の労働の軽減を目的として、地域インフラが整っていない地域を対象に行いました。農業水産技術センターの研究員の方から相談を受けて、どうにか安価で様々なサポートに使えるようなモデルを作ってもらえないかというような相談がありました。薄さ2mmのフレキシブルパネルというパネルを、既存のビニールハウスなどに貼り付けることによってエネルギーを得ることができるものです。発電すると電気で動く様々な動力として利用ができます。この自家消費再生エネルギーは、中山間のノーインフラ対策、労働軽減、認定計画の達成、経営の変動経費の安定軽減、運営内部留保金の安定に繋がります。また、農家の次世代の担い手に向けて認定計画達成のためにも自家消費再生エネルギー型の施設園芸をリリースしました。福祉事業主、子ども食堂、企業農業参入、小売事業者、リース事業などの方々にとって、福祉連携イノベーションモデル事業、安定雇用の創出、業務・運営の改革として使っていただける仕組みにもなっています。
また、農業総合保険を作りました。当時、大きい災害が何度かあり、そもそも何の補償もないことや免責金が多く必要なことなど、災害後苦労したという話を沢山聞きました。過去に保険の事業もしていたので、何でも対象になる住宅総合保険という保険を農業保険に転用して、ファームリンクという保険を設立することが叶いました。破綻しないということが一番のこだわりで、代理店は日本三大大手の代理店です。こちらが保険の窓口となって、日本四大損保さんに受けていただくことを合意してもらっています。また団体保証を取り付けることによって、何回使ったとしても保険金の掛け金が変わらないような仕組み作りにもなっています。また災害にあったとしても、自分からの持ち出しのお金が出て行くようなことがない、そういったリスクや労働時間も含めて、軽減ができるようなものを作りたいということでこの保険を作っています。
その他の様々な事業をフリーペーパーや神戸新聞、農林水産省などに取材して掲載して頂いております。
本事業の詳細についてはこちらをご覧ください。
受講生募集
6次産業化に関心のある皆様のご参加をお待ちしております! ぜひお知り合いの方にもお声がけください。
| 締切 | 各研修開催の3日前まで |
|---|---|
| 定員 | 各回20名程度(オンライン配信あり) |
| 会場 | テクノプラザ愛媛 研修室(松山市久米窪田町337-1) |
| 主催 | 愛媛県農林水産部農政企画局農政課 |
| 対象 | 県内農林漁業者・地域資源を活用した商品開発等に関わる方 |
お問い合わせ
株式会社 産直新聞社 四国事業部(愛媛県西条市) 担当:越智 携帯:080-8436-3830 Email:ehimekenrokujika@gmail.com (本社)株式会社 産直新聞社 〒396-0023 長野県伊那市山寺2514-17 (編集室) 〒396-0025 長野県伊那市荒井3428番地7 alllaオフィスC TEL:0265-96-0938 / FAX:0265-96-0939
