1年のうち、
最大の節目であるお正月。
豪華なおせち料理が、
毎年世間をにぎわせます。
農家にとってもお正月は、1年の実りに感謝し、
新しい年の豊作を祈る、大切な節目でもありました。
今でも各地域、家々で、さまざまな風習が受け継がれています。
行事にあわせた食文化もまた、多種多様です。
必ずしも、豪華なおせち料理が食べられていた訳では
ありませんでした。
農業の機械化が進み、
食が多様化した現代、
失われてしまった風習も
数限りなくあることでしょう。
今よりも農業に膨大な手間と労力を必要とした時代から、
地域で受け継がれてきたお正月の行事。
その中には、かつてそこに暮らした人々が何を経験し、
感じ取ってきたのか、その一端が垣間見えます。
伝え継いでいかなければならないのは、
行事そのものだけではなく、
そこに込められた意味や祈りなのかもしれません。
お正月は、現代に生きる私たちが、
地域で受け継がれてきた行事に込められた
意味に思いを馳せることのできる、
身近なひと時でもあります。
現代では、
忘れ去られてしまったものも多い
「農家のお正月」。
今号では、長野県飯綱町を舞台に
その暦を紐解きました。(編集部)
※この記事は「産直コペルvol.39(2020年1月号)」に掲載されたものです。