特集

【特集 LFPは何を生み出したのか?】農林水産省担当者に聞く!LFPで大切にしたいもの

農林水産省大臣官房 新事業・食品産業部 企画グループの谷口尚美さんは、5年ほど前に食料産業局で6次産業化のハード事業を担当。前任地の北陸農政局では、局全体での農村地域の活性化支援対策として、農村の関係人口を増やしたり、農村地域の人と人を結ぶ取り組みに携わっていました。そんな人物が今年度からLFP事業を担当。北陸では地域の方から直接、課題など話を伺う機会もあり、「地域の課題に向き合うLFP事業に携われることをとても嬉しく感じています」と、今後のLFPとの関りに意欲をみせる谷口さんにお話を伺いました。(聞き手・毛賀澤明宏/まとめ・越智加代子)

谷口尚美さん

話を聞いた人

農林水産省大臣官房 新事業・食品産業部 企画グループ
谷口尚美さん

今までとは明らかに違う

―令和3年度のLFPの取り組みの評価・着目している点は何でしょうか?

LFPは、単純なモノづくり支援ではなく、地域を良くするための体制、仕組みづくりに対する支援なんだ! という新鮮な印象を受けました。多くの方がプラットフォームに集い、地域を活性化していくという観点からアイデアを出し合い、その結果として良いモノやコトが生み出されていく。これまでの補助事業とは違う、素晴らしい取り組みだと感じました。
これまでは機械やハコモノなどを整備し「はい、これでやってください」という支援。技術やノウハウの蓄積や事業の持続性に課題を感じていたので、LFPはその点が大きく違うと感じています。

イノベーション創発を目指して

今までの「モノ」や「ハコ」だけの6次産業化とは一線を画すLFP事業

―今年度のLFPが目指すもの、重点を置きたいところは?

まずは、プラットフォームを形成し、その中に多様な業種の人が集まり、話をして課題を捉え、様々な解決法を見つけていくという仕組みづくりに重点を置いてほしいと思います。プラットフォームに知見、技術、販路などの経営資源を結集し、結果、新しいビジネスが生み出される、という形を目指してほしいです。また、様々な人のアイデアや技術を組み合わせて創発されるイノベーションを地域で生み出すことを、ぜひ目標に掲げていただきたいです。

LFPを県単位の事業として行う意義は、プラットフォームは経営資源を結集する場ですので、県全体に広く存在する経営資源と市町村単位での経営資源では、やはり量的な差が生まれてしまうことが多いためです。食品企業がいて、観光業も流通業も…、と多様な業種を繋げるためには一定程度の範囲が必要と考えます。都道府県域に広がる経営資源の質と量をフルに活かして、それらを様々に結合し、地域性のある取り組みを実施してほしいです。

また今後、このLFPの仕組みに対して各県などの予算がつくことで、さらに波及効果が広がるのではないかと思っています。LFPのプラットフォームが各地域で形成され、さらに広がって、自発的に新たなビジネスが生み出されていく仕組みができ上がっていくようになると嬉しいです。

他人ゴトから自分ゴト、地域ゴトへ

―昨年度を踏まえた新たな点はどんなことですか?

昨年度は、プラットフォームの重要性について、私たちの説明不足があったかと思います。今年度は基本に立ち返り、プラットフォームパートナーを拡充し、アイデアを出し、議論を深めていくことを、さらに丁寧にやっていきたい。プラットフォームの理想としては、内部でアイデアを自由闊達に出し合えるような、ゆるやかに情報交換ができる関係性が理想ですね。

北陸赴任時の谷口さん。農村地域や農業者の課題解決のためのワークショップでの一コマ。
「現場で多くのことを学びました」という


―農家・直売所、LFPパートナーに訴えたいことは何でしょうか?

個々で情報を囲い込む時代ではなくなりつつあると思っています。自身の持つ経営資源なりアイデアなりを様々な人と共有し、それを結合することで、今までにない、わくわくすることが生まれるのではないでしょうか。地域の皆さんで課題や情報を共有し、自分の事として、さらに私たちみんなの事として捉えていけば、その地域は発展していくと思います。

また、自分だけではできないことも、連携し、違う方法をプラスしたらできる、さらに事業の発展が望める、ということをLFPで感じてもらえたらと思います。LFP事業の集まり以外で、皆さん自身が日ごろから関係性を持ち、ビジネスパートナーとしてさらに深く繋がっていけるのではないでしょうか。それを副次的な波及効果として、あるいは自社の事業の中で社会的課題の解決に繋げていこうというところまで実践していただけるとありがたいと思います。

Zoomインタビューでは、コペルVol.51でも登場した農林水産大臣官房 新事業・食品産業部 企画グループ 課長補佐 松本秀明さん(画面下)も参加

※この記事は「産直コペルvol.54(2022年7月号)」に掲載されたものです。

この記事を書いた人
産直コペル 編集部
この記事は、産直新聞社の企画・編集となります。