特集

【特集 薪ストーブのある暮らし】薪ストーブのある1日。

寒さが少しずつ身にしみるようになったら、薪ストーブの出番。

かつて、囲炉裏やかまどで生活をしていた人々は、暖房だけでなく、

炊事や湯沸し、生活のエネルギーのほとんどを薪や炭でまかなっていました。

薪ストーブも、暖房器具であると同時に調理器具。

またその家の空気、暮らしそのものを形作ってくれる存在です。

そんな薪ストーブのある暮らしの中で生まれる1日。

冬の朝。

冷え込んだ部屋を暖めるため、

少し早めに起きる。

薪をくべ、火をつけ、

再び布団にもぐりこむ。

あとはストーブが

部屋全体を暖めてくれる。

部屋が暖まったら、朝の準備。

ストーブにポットをかけ、お湯を沸かす。

そうこうするうちに、家族も起きてきた。

前日にストーブで仕込んでおいたスープ、

熾(おき)で焼いたパン、

先ほど沸かしたお湯で淹れたコーヒーで朝食。

冬の間に焚く薪は、1年前から乾燥させておいたもの。

約半年間の暖房をストーブでまかなうため、

春先に行う薪作りは大切な仕事だ。

かつて、囲炉裏やかまどで生活をしていたこの地域の人々が、

当たり前のように行っていた仕事のひとつ。

もちろん、灯油と同じように、購入することもできる。

周囲を山々で囲まれた田舎で暮らしていれば、

薪の調達は比較的簡単だ。

仕事から帰るとすぐにストーブを焚き、夕食の準備。

部屋を暖めながら、スープをコトコト煮込む。

家族が帰ってきたら、夕食の時間。

この地で採れた野菜の旨みが

じっくり煮込んだスープに溶け出し、格別な味わい。

夜は薪ストーブの前が一家団欒の場所に。

ゆらゆら揺れる火を眺めながら、

今日一日あったことを話したり、

のんびり読書をしたり、思い思いに過ごす。

ストーブの上の鍋では、さまざまな冬野菜を使った

スープストックを仕込んでおく。

火があることで、家族が集まる。

ストーブの火が少しずつ小さくなってきた。

夜更かしをしたい時は、さらに薪をくべる。

冬の匂いで部屋は満たされ、夜が徐々に更けてゆく。

※この記事は、『産直コペル』Vol.33(2019年1月号)の特集を抜粋したものです。

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産直コペル 編集部
この記事は、産直新聞社の企画・編集となります。