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【特集 薪ストーブのある暮らし】データで見る! 森林資源の使われ方

薪ストーブのある暮らしを通して、薪の生産を含む日本の林業にも目を向けてみたい。我が国において、木材の生産や需給はどのような傾向を示しているのか、林野庁「平成29年度森林・林業白書」(平成30年6月)をもとに国内の林業の現状を見ていこう。

活力が戻り始めた林業

日本の林業は長期にわたり産出額の減少、木材価格の下落などの厳しい状況が続いてきたが、近年は国産材の生産量の増加、木材自給率の上昇など、活力を回復しつつある。

日本の林業産出額*1は昭和55年の1兆1588億円をピークに減少し、平成14年頃から4000億円台となったが平成28年には、平成14年以降で最も高い水準の4662億円となった。

このうち木材生産の産出額は近年、増加傾向に推移しており、平成28年は製材用素材等の産出額が減少した一方で、燃料用チップ素材の利用量が大幅に増加している。平成14年以降、林業産出額全体に占める木材生産の割合は、5割程度で推移してきている。

*1 国内における林業生産活動によって生み出される木材、栽培キノコ類、薪炭などの生産額の合計である。

木材需要は製材・パルプ・チップ用材がほとんど

次に、木材需給の動向を見ていく。日本の木材需用量*2の推移は、戦後の復興期と高度経済成長期の経済発展により、増加を続け、昭和48年に過去最高の1億2102万立方㍍(丸太換算値。以下同じ。)を記録した。その後、昭和48年秋の第一次石油危機、昭和54年の第2次石油危機などの影響により減少と増加を繰り返し、昭和62年以降は1億立方㍍程度で推移した。しかし、平成3年のバブル景気崩壊後の景気後退等により、平成8年以降は減少傾向となった。特に平成21年にはリーマンショック*3の影響により前年度に比べ19%大幅に減少し、6480万立方㍍となった。近年は回復傾向にあるが、平成20年の水準までは僅かに達していない。

平成28年には、住宅需要の増加等から用材の需用量が増加し、燃料材は木質バイオマス発電施設等での利用により前年に比べ増えた。平成28年の木材の総需要量は7808万立方㍍で、その内訳は、製材用材が33.5%、合板用材が13.1%、パルプ・チップ用材が40.5%、その他用材が5%、燃料材が7.4%を占めている。

次に、木材需給の動向を見ていく。日本の木材需用量*2の推移は、戦後の復興期と高度経済成長期の経済発展により、増加を続け、昭和48年に過去最高の1億2102万立方㍍(丸太換算値。以下同じ。)を記録した。その後、昭和48年秋の第一次石油危機、昭和54年の第2次石油危機などの影響により減少と増加を繰り返し、昭和62年以降は1億立方㍍程度で推移した。しかし、平成3年のバブル景気崩壊後の景気後退等により、平成8年以降は減少傾向となった。特に平成21年にはリーマンショック*3の影響により前年度に比べ19%大幅に減少し、6480万立方㍍となった。近年は回復傾向にあるが、平成20年の水準までは僅かに達していない。

*2 製材品や合板、パルプ・チップ等の用材に加え、しいたけ原木及び燃料材を含む総数。このうち、燃料材とは、木炭、薪、燃料用チップ、木質ペレットである。

*3 平成20年に起こった、米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発する金融市場の混乱のこと。

木材輸入は減少傾向

国産材の素材(丸太)価格*4は、昭和55年をピークとして長期的に下落傾向にあったが、平成21年以降はほぼ横ばいとなっている。平成25〜26年にかけては、好調な住宅向けの需要により国産材の製材用素材価格は上昇したものの、平成27年にはスギ・ヒノキの素材価格が下落した。その後、ほぼ横ばいで推移したが、平成29年は建築需要等によりやや上昇し、1立方㍍ごとの価格は、スギ1万3100円、ヒノキ1万8100円、カラマツ1万1900円となった。

図1:日本の木材価格の推移

(出典:平成29年度「森林・林業白書」)

世界の木材貿易では、北米や欧州だけでなくロシアや中国も大きな存在感を示しており、これらの地域の木材需給は世界の木材需給に大きな影響を与え、輸入丸太の価格は為替レートや、そうした生産国の動向等により大きく変動する。米材*5丸太の価格は、原油価格の上昇や円安方向への推移の影響により平成17年頃から上昇していたが、リーマンショックや為替変動等の影響を受けて下落と上昇を繰り返した。平成29年は産地での山火事による供給減を受け、価格が上昇し、1立方㍍ごとの丸太価格は米マツ3万2600円、米ツガ2万3000円となっている。北洋丸太の価格も原油価格の上昇とロシアによる丸太輸出税の引き上げにより、平成19年に急激に上昇し、平成29年の北洋エゾマツ丸太の1立方㍍の価格は2万4400円となっている。

輸入材の価格高騰も合わせ、近年日本の木材輸入量は減少傾向にある。

*4 製材工場着の価格

*5 米国及びカナダから輸入される木材で、主要樹種は米マツである

国産材は素材生産量、供給量ともに増加傾向

昭和30年代以降、我が国の木材自給率は国産材供給の減少と木材輸入の増加により低下を続け、平成14年には過去最低の18.8%となった。その後、人工資源の充実や技術革新による合板原料としての国産材利用の増加等を背景に、国産材の供給量が増加傾向で推移したのに対して、木材の輸入量は大きく減少したことから、木材自給率は上昇傾向で推移し、平成28年は34.8%となった。

図2:木材供給量と木材自給率の推移

(出典:平成29年度「森林・林業白書」)

国産材の素材生産量は、平成14年以降増加傾向にあり、平成28年度は2066立方㍍となっている。主要樹種の用途は、スギ、カラマツは製材用と合板用、ヒノキは製材用、広葉樹は木材チップ用が多くなっており、樹種別にみると、製材用材の約8割がスギ・ヒノキ、合板用材の8割がスギ・カラマツ、木材チップ用材の約4割が広葉樹となっている。

樹種別素材生産量は、スギ、ヒノキ、カラマツは全体的に合板用が増加し、スギについては、木材チップ用の需要が増加し、カラマツについては、製材用と木材チップ用の需要が減少した。平成28年国産材の素材生産量の樹種別割合はスギが57%、ヒノキが12%、カラマツが11%、広葉樹が11%となっている。

また、供給量についても見ていくと、国産材供給量*6は森林資源の充実や合板原料としてのスギ等の国産材利用の増加、木質バイオマス発電施設での利用の増加等を背景に、平成14年を底として増加傾向にあり、平成28年の国産材供給量は、2714万立方㍍であった。なかでも燃料用チップを含む燃料材は前年に比べ59%増え大幅な増加が続いている。

*6 製材品や合板、バルブ・チップに加え、しいたけ原木及び燃料材を含む総数。いずれの品目についても丸太換算値。

推進される木材利用

木材の利用は、快適で健康的な住環境等の形成だけでなく、地球温暖化の防止、森林の多面的機能の効果や地域経済の活性化にも貢献する。昭和30年代後半の「エネルギー革命」以前は、木材は木炭や薪の形態で日常的なエネルギー源として多用されていた。近年では、再生可能エネルギーの一つとして木材チップや木質ペレット等の木質バイオマスが再び注目され、利用が推進されている。林野庁は消費者に向けた「木づかい運動」も平成17年度から展開し、木材利用の普及活動を行っている。今後、木材利用がより身近になっていくのかもしれない。今回の特集する薪ストーブからも、木材を取り入れた生活を想像してみてほしい。

※この記事は、『産直コペル』Vol.33(2019年1月号)の特集を抜粋したものです。

この記事を書いた人
産直コペル 編集部
この記事は、産直新聞社の企画・編集となります。