特集

【特集 直売所の平成を振り返る】平成から令和へ―直売所の現在・過去・未来を考える―

 2019年5月から日本の「元号」が「平成」から「令和」へと変わる。
 「平成」の30年の間に日本社会はその森羅万象が変わった。「一変した」と言っても過言ではないかもしれない。現在の日本社会の状況を、30年前に予測した人は、いったいどれくらいいたのだろうか? この社会の状況は、私たちが目指し、創り出そうとしてきたものなのだろうか?
 そして、新しい「令和」の時代には、いったいどのような激動が私たちを待っているのだろうか? どのように新しい時代と社会を創り出していけばよいのだろうか?

 「平成」の30年の間に、日本社会―特に農業や食と暮らしの領域に大きな変化をもたらしてきたのは、いまや全国の津々浦々に広がった農林水産物直売所とそこを拠点とした人々の営みであった。
 「平成」が始まるのとほぼ時を同じくして、全国各地で産声を上げた直売所・産直は、系統出荷一辺倒であった日本の「農業経済」に大きな風穴を開け、人々の食と暮らしを近づけ、関係を深め、「合理性と効率性」に支配される社会の中に、目指すべき「豊かな暮らし」の原型を発信し続けてきたと言えよう。
 しかし、この農産物直売所、産直・直売事業も、農家の高齢化や後継者不足、農村集落の「消滅」の危機の中で、新たな転機を迎えている。新たな時代を「食と農のある豊かな暮らし」の時代にするために、この30年間の歩みを振り返り、未来を見据えていかなければいけない。(産直コペル編集長 毛賀澤明宏)

※この記事は、『産直コペル』Vol.35(2019年5月号)の特集に掲載したものです。
 

ABOUT ME
産直コペル 編集部
この記事は、産直新聞社の企画・編集となります。